2007年06月20日
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『個人出版(自費出版) 実践マニュアル』
高石左京 著
JPS出版局制作、太陽出版発売、128頁、定価1575円、06年12月発行


売りたい本をつくるマニュアル本

  2005年2月に『38万円で本ができた』を出した“両国の隠居”は、06年暮れにJPS出版局を立ち上げた。彼が筆名を高石左京として、本書を出版した。
 2部構成の前半は、彼の個人出版を支援する姿勢や、小説や絵本などの事例を挙げてJPS出版局の目指す透明度のある展開を紹介する。後半は、『38万円……』の改訂稿が載る。
 「個人出版」の使用は、個人自らの発信と、本の所有権などの個人の権利を尊重することからくるもの。批判が多い「共同・協力」出版社は、出版費用も、宣伝費の一部も場合によっては売上金も著者から拠出させて利益を上げているような手法で、出版権も所有権も有する。こうした著者の疑問が、両国の隠居に寄せられ、前著の発行ばかりか自費出版を支援する会社を設立するまでにいたり、本書の発行となった。
 著者の売りたい志向は、このところ顕著になるばかり。しかし、出版の志を曇らせてしまうビジネス展開に、そろそろ気づき始めている著者も少なくない。売りたい本がある時、著者一人ひとりが一つの出版社であると想定しながら、本づくりがいかに楽しくも大変であるかを理解してもらいつつ、編集者などが共に作業していかなければ、納得がいく本にはならない。
 MBC21などに始まった自費出版を流通させるシステムは、ここに来て、忘れかけた原稿や著者や読者を尊重する姿勢を取り戻す展開として、新たなモデル像となりえるのか。編集費用の考え方では、企業の維持という点で気になる要素はたぶんにあるが、共感できる姿勢も多々あるだけに、JPS出版局は注視していきたい存在である。

(神門武弘・JEF会員)

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